極妻

「…ちょ!?なにっ!?」


裸になった上半身は胸も背中も無惨な火傷痕に覆われていた。


「見ろこれ。思ってたよりヒデェだろ?こんな男といたい?こんな男といて何になる?」


朔夜の乾いた笑みを見て、孤独や絶望感が痛いほど伝わってきた。


「2人でこうしてんとけっこうヤベェんだ。でも俺、お前泣かすからよ。……どう接したらいいか分かんねー…つーか、

イヤ、何でもね!今の記憶から消せ!」


その時、思わずその胸に飛びついてしまった。


「いま分かった…うち旦那さんが好きや!お兄ちゃんでもなんでも、あんたが好きや」


血が繋がってるとか、兄妹で恋愛しらあかんとか難しいことは分からん。ただ朔夜って人間の存在が好き。


お互いを呼びあってる気がする。
必要な気がする。



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