極妻
4)寵のなかの姫




翌日――


その旦那さんをめぐって、思いもよらなかった事態が私を待ち受けていた。


それは私に用意してくれたという部屋で、ひとり過ごしていた時のこと。


「小夜子様。お方様方からお話があるそうです。よろしいでしょうか?」


廊下からゆうべの樋ノ上さんという女中さんの声がした。


お方様??


とりあえず「ええよ」と返事をかえすと、ドアが開き、お辞儀をする樋ノ上さんを先頭に、ずらずらと見たことない女の人たちが入ってきた。


その数は六人。みんな十代から二十代くらい。


な、なんやのこの綺麗な人たちは?まるでテレビに出てはる女優さんみたいや。


でもすぐに、この女の人たちの表情が厳しいことに気がついて、これはええ話しやないなと予感した。


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