極妻
すると私が思わず言った"うちの旦那さん"て言葉が気に障ったのか、あからさまにムッとした。


「そうです。もちろん偽物ではなく、本物の朔夜様の」


「……!」


「私たちは全員、朔夜様の正体を知ってますので」


「そ、そうなんや…」


なんや旦那さん、さてはこんな綺麗な愛人さんたちが沢山いてるから、うちに手ぇ出さへんて言うたんやな!


まあ別に、お妾さんが何百人いたってうちには関係あらへんけどっ!


そう思ったけど、どうやらこの人たちはそうではないらしい。


明らかに私を敵視しとる。



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