極妻
「紫月はいままで、ずっっと彼女なんか作らなかったのに!」


「………………はぁ!?な、なんやて?」


「なーんかおかしいと思ったんだよね!それならそうと隠さないで言えばいいじゃん」


市川さんの言葉と、ほかの女子たちの視線を受けて、背中を汗がつたった。


「ま、まって!ほんま誤解や!うちはあの紫月って人とは今日が初対面……みたいなもんで上手くは言えんけど……ちゅーか、そもそもそんな関係やないよ!?」


焦ってまくし立てたものの、市川さんは一度も振り向いてはくれなかった。そしてほかの女子たちも。






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