ぬかるみノ中
ある日の日記

指先から滴るその

血。



俺の口の端の
歪みがとれません。



振り返る君の

奇麗な顔。




来年は
春が来ないようです。

いや、
来年から
春が来ないようです。

君の春。




冬でもなく夏でもなく秋でもない。
春でもない。

君は闇の中泣いているね。



生暖かい唇と臍の辺り。

さようならのキスをしました。




可愛いね。
そんな顔も
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