君がいなきゃダメなんだ。【壁ドン企画】
──食品加工学研究室。
五つの学科がある短大の中の、その堅苦しい名前の部屋が、私の毎日の居場所。
冴木先生と私のデスクや本棚、小さな調理台や主に先生の仮眠用に使われるソファーが備え付けられた、十人も入ればいっぱいになってしまう、あまり広くない研究室だ。
たくさんの資料を私が整理整頓しても、いつの間にか先生のデスクには山積みにされていたり。
研究や講義の資料作りに没頭してしまうと、お茶やコーヒーをこぼしてもそのままだったり。
そんな、決して綺麗とは言い難い研究室だけれど居心地が良いのは、
たぶん……いや絶対、私が先生のことを好きだから。
「雪乃さん、次の講義はいつでしたっけ?」
「明日の一限です」
「一限か……。じゃあモーニングコールお願いしますね」
研究室に戻り、カタカタとパソコンを打ちながら何食わぬ顔で言う先生。
二十八歳で六つも年下の私にも敬語を使う律儀な彼だけれど、中身は子供だ。
朝は私が起こさなければ寝過ごすし、いまだに時間割りやスケジュールも把握していないし、好きな食べ物は甘口のカレーやスイーツだし。
まだ中学生くらいで成長が止まっているんじゃないかと、多々思うことがある。
五つの学科がある短大の中の、その堅苦しい名前の部屋が、私の毎日の居場所。
冴木先生と私のデスクや本棚、小さな調理台や主に先生の仮眠用に使われるソファーが備え付けられた、十人も入ればいっぱいになってしまう、あまり広くない研究室だ。
たくさんの資料を私が整理整頓しても、いつの間にか先生のデスクには山積みにされていたり。
研究や講義の資料作りに没頭してしまうと、お茶やコーヒーをこぼしてもそのままだったり。
そんな、決して綺麗とは言い難い研究室だけれど居心地が良いのは、
たぶん……いや絶対、私が先生のことを好きだから。
「雪乃さん、次の講義はいつでしたっけ?」
「明日の一限です」
「一限か……。じゃあモーニングコールお願いしますね」
研究室に戻り、カタカタとパソコンを打ちながら何食わぬ顔で言う先生。
二十八歳で六つも年下の私にも敬語を使う律儀な彼だけれど、中身は子供だ。
朝は私が起こさなければ寝過ごすし、いまだに時間割りやスケジュールも把握していないし、好きな食べ物は甘口のカレーやスイーツだし。
まだ中学生くらいで成長が止まっているんじゃないかと、多々思うことがある。