君がいなきゃダメなんだ。【壁ドン企画】
先生の助手をして早ニ年、もう実習の流れはわかっている。
彼がいなくても特に問題は起こらず、薄紅色をしたりんごジャムは各班上手に作れたようだ。
実習が終わり研究室へ戻ると、先生はブランケットにくるまり、足を縮めてソファーで丸くなって寝ていた。
なんだか大きな猫みたい。
「先生? 実習終わりましたよ。大丈夫ですか?」
「ん……雪、乃さん……?」
近付いて声を掛けると、二重の切れ長の瞳がゆっくり開いた。
鏡を外している彼は、いつもに増してカッコいい。
「もう終わったのか……ありがとう、助かりました」
むくりと上体を起こした彼は、壁に掛けられた時計を見やり、怠そうに立ち上がった。
「ちょっと……どうしても行かなきゃいけない所があるんで、行ってきます」
「えっ!?」
「雪乃さんはここで待っていてください」
「ま、待って先生!」
もう講義もゼミもないのに、こんな身体でどこに行くっていうの!?
デスクに置いた眼鏡を取りに向かおうとする先生を止めようと、軽くワイシャツの袖を引っ張った時、彼の身体がぐらりとよろめいた。
彼がいなくても特に問題は起こらず、薄紅色をしたりんごジャムは各班上手に作れたようだ。
実習が終わり研究室へ戻ると、先生はブランケットにくるまり、足を縮めてソファーで丸くなって寝ていた。
なんだか大きな猫みたい。
「先生? 実習終わりましたよ。大丈夫ですか?」
「ん……雪、乃さん……?」
近付いて声を掛けると、二重の切れ長の瞳がゆっくり開いた。
鏡を外している彼は、いつもに増してカッコいい。
「もう終わったのか……ありがとう、助かりました」
むくりと上体を起こした彼は、壁に掛けられた時計を見やり、怠そうに立ち上がった。
「ちょっと……どうしても行かなきゃいけない所があるんで、行ってきます」
「えっ!?」
「雪乃さんはここで待っていてください」
「ま、待って先生!」
もう講義もゼミもないのに、こんな身体でどこに行くっていうの!?
デスクに置いた眼鏡を取りに向かおうとする先生を止めようと、軽くワイシャツの袖を引っ張った時、彼の身体がぐらりとよろめいた。