紅い死神は闇を跳ぶ



「?」

それは幾ら手を振っても飛び散ることなく手に吸い付いていた。
もう片方の手で触ると、その液体はつるつるとしていて爪で引っかいても傷つく事は無い。
まるで、『液体だったもの』が『別の硬い何か』に変化したかのように。

ぽたぽたっ、ぽたたっ

また頭上から目の前数センチのところを液体が落ちていった。
今度は絶え間なく。
ゆっくりと顔を上げる。
そこには―――



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