病弱女子とお医者様
―ピピピピピ
葵「はい。見せて。」

緩く挟んだから大丈夫だろうと思い
素直に見せる。

葵「嘘っ。熱がない。」

 『ね?大丈夫でしょ?』

葵「…あぁ。じゃあ、聴診させて?」

 『聴診したら学校行ってもいいよね?』

葵「心音次第だけどな。」

心音が悪かったら、学校行けないの?
だったらやりたくないな。

そう思ってると
葵「咲。服捲って。」

ハァ。とうとうきてしまったよ。


私は、服を掴んだまま離さなかった。

葵「聴診しないと、学校
  行かせないからね。」

 『ヤッ!行く!』

葵「じゃあ、早く服捲って。」

渋々服を捲る。
葵「すぐ終わらすから、深呼吸な。」

言われた通りにする。

葵「はい。いいよ。偉かったね。」
そう言って、頭を撫でてくれた。

 『学校行ってもいいよね?』

葵「んー。無理しないこと!
  守れるなら学校行ってもいいよ。」

 『わかった!』
立ち上がると立ちくらみがした。
そのまま葵の方へ倒れこんだ。
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