病弱女子とお医者様
『い、いえ。橘咲です。
  葵さんにいつもお世話に
  なっています。』

恵「きゃ~咲ちゃん可愛すぎ!
  私、こういう娘欲しかった
  んだよね。」

そう言って、葵のお母さんが
私に抱き付いてきた。

葵「母さんやめろよ。
  咲、母さんたちが急にくるって
  言ったせいで、超緊張してるんだから。」

恵「あら~葵嫉妬してるの?」

葵「そういうわけじゃなくて…。
  とにかく咲から離れろよ。」

暁「それは悪かったね咲ちゃん。」

 『いえ、気にしないでください。』

葵「そろそろお昼だろ?
  昼飯食おうぜ。」

もうそんな時間か…。

 『冷蔵庫からおせち
  出してくるね。』

葵「あっ、俺も行くよ。
  一人だと重いだろ?」

 『わかんないけど、
  手伝ってくれるの?
  葵、ありがと。』

葵「どういたしまして。」

二人でおせちを取りに行った。

 『お待たせしました。
  お口に合うかわかりませんが…。』

恵「えぇ、咲ちゃん手作りしたの?」

 『毎年買ってたんですけど、
  今年は作ろうってなって、
  葵さんと一緒に作りました。』

恵「いいのよ。普通にしてくれれば。
  さっき葵のこと呼び捨てしてたでしょ?
  普通に葵と話せばいいからね?」

 『あっ、はい。わかりました。』

暁「すごいな、咲ちゃん。
  母さんそんなことしないから
  驚いたよ。」

恵「本当ね。でもお父さん
  それは失礼じゃないかしら?」

暁「事実じゃないか。」

恵「まぁ、そうだけど…。」
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