病弱女子とお医者様

【葵】

部屋の鍵閉められた。

恵「咲ちゃんどうかした？」

　『きっと遠慮してるんだよ。』

恵「あら、そんな事しなくても
　　いいのに…。」

なかなか仕事も忙しくて、
親とはあまり会えていない。

電話もなかなかできないし。

恵「お父さん寝ちゃったわよ。」

　『今布団持ってくる。』

寝室へ行って、毛布を取りに行った。

恵「葵仕事は忙しいの？
　　電話も全然してこないけど。」

　『あぁ、それなりにな。』

恵「大丈夫？咲ちゃんも
　　いろいろあるんでしょ？」

　『あぁ、まぁな。』

恵「大変そうね。」

　『まぁな。』

確かに結構大変。

咲は年末になって、
やっと精神科への通院も
月一回になって、
それまでは、隔週だったから、
結構頻繁に連れて行ったりしてた。

恵「休みしっかりとれてるの？」

　『こうして今とってんじゃないかよ。』

恵「そうだけど…。」

　『何が言いたいんだよ？』

恵「今から言うことで、
　　機嫌を損ねないでね。」

　『俺の機嫌を損ねるような
　　ことを言うのかよ？』

恵「捉え方によってはね。」