病弱女子とお医者様
そうして始まった一時間目。
???「あら、橘さん来たのね。
   私は、鈴木です。よろしくね」

意外と優しそうな先生だったから
安心した。

そして、着々と過ぎてゆく時間。

一時間目もとっくに終わり
今は昼休み。

 「ねぇねぇ橘さんって
  彼氏いるの?」
などとクラスメイトの子に
聞かれております。

 『うん。いるよ。』

 「えっ、そうなの?どんな人?」

 『う~ん。優しいかな。』

 「歳は?」

 『24だよ』

 「えっ、そんな人とどんな風に
  出会ったの?」

 『私の喘息の主治医なの。』

 「へぇ、いいなぁ
  私も彼氏ほしいなぁ。」

 『好きな子いないの?』
 
 「いるよ。」

 『へぇ。告白してみればいいじゃない』

 「えぇ、できないよ」

 『意外と告白すると叶うよ』

 「本当に?」

 『うん。本当だよ』

 「じゃあ頑張ってみるね」

 『うん。頑張って』
< 70 / 309 >

この作品をシェア

pagetop