恋のはじまり?
うーん……

頑張れば届くかな?


脚立を持ってこればいいんだけど、私は高い所が苦手。

踏み台で2段くらいなら、まだ平気なんだけど、それより高くなると、ちょっと怖い。

まぁ、脚立を使わなきゃ絶対取れないなら、仕事だし、頑張って脚立を使うけど、使わなくていいのなら、極力使いたくない。

なので、私は背伸びをして、腕を伸ばす。


あとちょっと……


私は、全身をプルプルさせながら、必死に腕を伸ばす。

そして、横のファイルが出てこないように左手で押さえながら、右手でクイックイッと少しずつ引っ張り出す。

頑張った甲斐があって、手で掴めるくらいまで引っ張り出せた。


よし!取れた!



「及川、資料見つかったか?」

「えっ?」


この資料室には私しか居ないと思っていたから、いきなり声を掛けられた事に驚き、そして、振り向いた瞬間、バランスを崩した。


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