キスの後で……。
上司は同期。
「鈴木課長、こちらの書類に判子お願いします。」
課長のデスクに向かい書類を差し出す。
バレンタインデーの媒体における資料。
世間はクリスマスというのに私達デパートの人間はもうバレンタインデー一色だ。
「えっ?どこ?」
相変わらず、すっとぼけた調子で資料を見つめる我が営業推進部課長、鈴木 尚文(すずき なおふみ)。
「だから、ここです。一応、見直ししてありますが折り込み部数、配布エリア等ちゃんと目を通していただけますか?」
万が一見落としがあっては洒落になんないんだから、ちゃんとチェックはして欲しい。
なのにーーー
「あっ、うん。でも佐久ちゃんがチェックしたんだから間違いないっしょ?」
と呑気な返事。
「ん、んんっ…」
「佐久ちゃん、どうしたの?喉の調子悪い?風邪じゃないの?気をつけなよ。この時期に引くとさぁ厄介だよ。早めに病院ーーー」
「課長!」
「えっ、なに?」
「そのーーーー、佐久ちゃんて言うの止めて頂けませんか?」
と、周りに聞こえないよう一段と小さな声で耳打ちする。なのに返ってきたのは、
「えっ?なんで?佐久間だから佐久ちゃんっていっつもそう呼んでるじゃん。つかさぁ、佐久ちゃんこそ、止めてくんない?その課長っての。」
はぁ………ダメだこりゃ。
課長のデスクに向かい書類を差し出す。
バレンタインデーの媒体における資料。
世間はクリスマスというのに私達デパートの人間はもうバレンタインデー一色だ。
「えっ?どこ?」
相変わらず、すっとぼけた調子で資料を見つめる我が営業推進部課長、鈴木 尚文(すずき なおふみ)。
「だから、ここです。一応、見直ししてありますが折り込み部数、配布エリア等ちゃんと目を通していただけますか?」
万が一見落としがあっては洒落になんないんだから、ちゃんとチェックはして欲しい。
なのにーーー
「あっ、うん。でも佐久ちゃんがチェックしたんだから間違いないっしょ?」
と呑気な返事。
「ん、んんっ…」
「佐久ちゃん、どうしたの?喉の調子悪い?風邪じゃないの?気をつけなよ。この時期に引くとさぁ厄介だよ。早めに病院ーーー」
「課長!」
「えっ、なに?」
「そのーーーー、佐久ちゃんて言うの止めて頂けませんか?」
と、周りに聞こえないよう一段と小さな声で耳打ちする。なのに返ってきたのは、
「えっ?なんで?佐久間だから佐久ちゃんっていっつもそう呼んでるじゃん。つかさぁ、佐久ちゃんこそ、止めてくんない?その課長っての。」
はぁ………ダメだこりゃ。
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