captive of the kiss
While kissing
夜景の綺麗な場所で車を停めて
二人で見つめ合って…どれくらい
時間が経ったんだろう。

息ができなくなってもいい。

けど…帰らなきゃ。
返さなきゃ…奥さんの元へ…。

「亜希…。」

何度も優しく呼んでくれる声に
くらくらしてしまう。
何かを欲してしまう。

そっとシートベルトを外されて…

車のドアに左手を突かれて

右手が私の顎に触れられた。

「亜希、キスしてって言ってみ?」

まだ観ない奥さん…
もう少しだけ…お返しするの
遅くなっても…いいですか…?

見つめてくれる表情に
身を任せてしまいそうになる。

「キス…してください。…もっと…。」

「…したい?」

「したい…。」
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