男友達


「おいっ!何ボーッとしてる?」


洋の声で我に返る。


「オレは半熟だぞ?」


はいはい。承知しております。
10年前から。


「知ってる。」


素っ気なく返事してみた。
なんの解決にもならないけど。

私の気持ちの。



私は“ガッツリ用意してました!”朝食をテーブルに運ぶ。

洋が好きな少し濃いめのブラックコーヒーと一緒に。


こう言うさ、好みって忘れられないものなの?

記憶から消せないものなの?
いつまで覚えておくの?
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