男友達


ちょっとヘンな空気が流れたのは一瞬。

空気を変えるようにマスターがランチを運んできた。

今日はナポリタンランチ。



……!?


私のナポリタン、上にひとつピーマンがのってるだけ。フォークで探してみるも…ひとつだけ。
洋のナポリタンを見るとピーマンたっぷり!
まるで私の分が洋にのっかったよう。


「マスター覚えてたんだな、夏南がピーマン嫌いなこと。」

「うん。」

こんな些細なことだけどなんか嬉しい。


まだ付き合って間もない頃、洋が作ってくれたナポリタン。ピーマンどっさりでちょっと泣きそうだった。

「ん?ナポリタン嫌いか?」

「いや…そうじゃなくてピーマンが。」

洋に大笑いされたっけ。
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