滋養強壮きゅん補給【壁ドン企画】
やっぱりおやじくさいよね。
片桐に呆れられたりして。
ちょっと不安になってちらりと様子を窺うと、
「ふーん。いいな、俺にもちょうだい」
と、私の女子力の低さを気にする様子もなくそう言った。
「ダメ。これ一本しかないもん」
「金払うから」
「絶対だめ。自分で買ってきて」
「けちだな」
ふっと白いタバコの煙を吐き出して、片桐は小さく肩を上げた。
「そんな事言ってもあげないからね」
片桐の視線を感じながら、つんと横を向いて栄養ドリンクの蓋を開けた。
それでもまだ感じる視線。
彫りが深くて端正な顔の片桐に無言で見つめられると、それだけでドキドキするんですけど。
「なに? そんなに見て」
その視線に耐えきれずにそう聞くと、
「いや、可愛い口してんなーと思って」
さらりと言われて思わず咳き込んだ。
……っ!! なに、いきなり…!
普段あまり可愛いとか言わない片桐が突然そんな事を言うから、こっちは激しく動揺してしまう。