滋養強壮きゅん補給【壁ドン企画】
「片桐って、ほんと性格悪いよね!」
「知らなかったのか?」
「知ってたけど!」
ふん!と大きく鼻息を吐き出してさっさと編集部に戻ろうと休憩室のドアに手をかけると、
「平井」
ドアノブを握った手の上に片桐の左手が重なった。
「なに?」
私の行く手を遮るようにどんと右手をドアに付き、ドアと片桐の体の狭い空間に閉じ込められた。
驚いて振り向くと、大きな影が横切った。
背の高い片桐が体をかがめて私の顔を覗き込む。
相変わらず整った顔をしてるな、なんて見惚れているうちに、片桐の長い舌がぺろりと私の唇をなぞった。
「ん……っ!」
驚いて体の力が抜けた隙に、左腕でぐっと腰を引き寄せられ強引なキスをされた。
背中には硬いドア。
目の前には片桐の厚い胸板。
その間に閉じ込められて、身動きが取れずに濃厚なキスをお見舞いされて、驚きで疲れも眠気も吹っ飛ぶ。