『スキ』だと言って!
そんな彼とのおかしな同棲生活を経て、
紆余曲折ありながらも『プロポーズ』をされたのが先々月。
常識的に考えても、
両想いの2人が同じ屋根の下で生活したら
そりゃあ『甘~い生活』が待っていると思うじゃない?
なのに、何?
この何も変わって無い日常は!!
100歩譲って変わったと思えるのは……。
私を呼ぶのに『苗字』が下の『名前』になったくらい。
甘い声音で呼ばれるのならともかく、
全く以て変化なし!!
これは一体、どういう事?!
私に色気が足りないから?
まさか、プロポーズしておいて忘れたとは言わないわよね?
何でなのか、どうしてなのか、聞きたい所だけど
彼を目の前にするとどうしても聞く事が出来ないの。
だって、彼の眼力……ハンパないんだもん。
だからね、私、我慢して我慢して我慢して、
限界の限界まで我慢したんだけど、
どうやら今日が真の意味での限界らしい。
『恋人同士なら甘い囁きがあって当然だよね?!』
そうやって何度も何度も必死に自分に魔法を掛けた。
そして、私は……―――………。