好きとは言えない
「見逃してと言うけれど今日までに何度も注意してきたでしょう?それなのに改善しない以上は見逃せないわ」
生徒指導室のテーブルに校則の書かれた表を置き、それを指差しながら説明していく。
この高校は校則が厳しい方ではない。
にも関わらず悉くそれを上回る事をする田所くんに校長はかんかんで、いつも何かを言われるのは担任である私。
「他の奴だって結構破ってるじゃん。キクとか」
「菊池くんはこの前の呼び出し以降ギリギリ校則内です」
本当に本当にギリッギリだけどね。
「じゃ、葵とか志雄とかは?」
「この後呼び出します」
「アイツらとこれから遊びに行く予定なんだけど、どうにかなんない?ちゃんと俺なりに気をつけるからさ〜。先生、お願い」