夢の続き
「うん、私も出来る限りは協力するわ」


「ありがとうございます」


そう言って僕たちも立ち上がって部屋を出て、駅の近くにあるスーパーまで歩き出した。



七月に入ったというのに、肌に纏わりつく湿気が酷く邪魔くさく、夜空には雲の合間からほんの少しだけ星が見えるだけだ。



少し歩いたところで有里香さんは止まり、ゆっくりとこちらを向いてくる。

普段の仕事のときとは雰囲気が明らかに違っていて、まるでそれは有里香さんが今の仕事とは違った将来をちゃんと考えているように思わせた。


「それでも、あんた自身も大事なのよ。

これまで勉強してきて分かっていると思うけど、その子を突き放したり、害に思っちゃったりしちゃ駄目。

彼女を受け入れることが大切になってくるし、間違っても敵とかそういうふうに見たら駄目。

難しいことだけど、あんたならできるよ」


あとどれくらいで梅雨が明けるのか分からないが、それでも少しだけ見えた気がした。
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