夢の続き
急行の電車に揺られ、駅に着くと幾人の人が下り、改札へと真っ先に向かう。
そんな喧騒のなかに僕は身を委ねている。
東京都のなかで『区』ではなく『市』が後ろに付いているここは、比較的緑も多く、山もある。
僕が生まれたところに比べれば都会だが、やはり電車で四十分ほど走らせれば着いてしまう新宿などに比べれば長閑なところだ。
それでも、主要となるべく駅の周辺は人が幾重にも重なり、賑やかというよりは耳障りに近い音を出している。
「ふう」
大きくため息をつきながら改札を出て、たくさんある出口のなかから西口へと出た。
道路を跨いで二本あるうちの歩道を普段とは違うほうを歩き、JRの駅へと向かっていく。
仕事で毎日のように来ているというのに、私服だとまるで初めて下りる駅のような錯覚を起こしてしまう。
最初にこの錯覚を経験したときは「すぐに慣れるだろう」とたかをくくっていたのだが、六年経った今でも慣れることはなかった。
もはや錯覚というよりは、これが自然というような感じだ。
こうやって、辺りを見渡すのに何度も首を振ってしまうのもいつものことだと、妙にそこだけは受け入れるようになってしまった。
そんな喧騒のなかに僕は身を委ねている。
東京都のなかで『区』ではなく『市』が後ろに付いているここは、比較的緑も多く、山もある。
僕が生まれたところに比べれば都会だが、やはり電車で四十分ほど走らせれば着いてしまう新宿などに比べれば長閑なところだ。
それでも、主要となるべく駅の周辺は人が幾重にも重なり、賑やかというよりは耳障りに近い音を出している。
「ふう」
大きくため息をつきながら改札を出て、たくさんある出口のなかから西口へと出た。
道路を跨いで二本あるうちの歩道を普段とは違うほうを歩き、JRの駅へと向かっていく。
仕事で毎日のように来ているというのに、私服だとまるで初めて下りる駅のような錯覚を起こしてしまう。
最初にこの錯覚を経験したときは「すぐに慣れるだろう」とたかをくくっていたのだが、六年経った今でも慣れることはなかった。
もはや錯覚というよりは、これが自然というような感じだ。
こうやって、辺りを見渡すのに何度も首を振ってしまうのもいつものことだと、妙にそこだけは受け入れるようになってしまった。