夢の続き
呆気に取られて指一本でも動かすことができず、全身が固まってしまった。

先ほどまでの状況が一気に頭から飛び、今自分が置かれている状況を必死で考えてはいるが、頭の中が混乱し過ぎて整理ができない。


「あっ、ごめんなさい。

私ったら、つい方言が出てしまって」


少しだけ安心したのは、女性がしっかりとした日本語を話しているということだろうか。



大きくため息をつき、彼女に軽く謝ってホームを去ろうとした。


「あの、よろしかったら、そこのベンチで少しお話しませんか」


呼び止められ、女性が先ほど座っていた場所の後ろにあるベンチを指された。
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