夢の続き
二人で呑気に改札口に通じる階段を上ろうとしたとき、日差しを浴びている駅のホームに一人の女性の存在を知った。


「ねえ、あれ・・・」


美穂の言葉と、指している方向、それらからホームに立っている一人の女性に視線が向けられた。

それでも僕は何ら気に留めることはなく、美穂がどうして僕にその存在を教えてきたのかが全く理解できなかった。


「知り合い?」


そのまま階段を上ろうとした僕を引き止めるくらいだから知り合いか誰かなのかと思い、僕も足を止めて尋ねた。

美穂はまるで観察しているかのように女性から視線を逸らすことはなく、僕の言葉が届いていなかったのか返事もこなかった。



僕は早いところ部屋に戻って、久し振りに美穂と二人きりになりたいという思いが強く、半ば嫌悪感を抱いて女性を見つめていた。


「ちょっと、様子がおかしい・・・気がするんだけど」


「えっ」


もう一度女性を見てみると、確かにどこか足元が覚束ないような気がする。

視線も前を見ているというよりは、足元を見ているように見える。

いや、足元よりももう少し前のほう・・・そう、線路のほうだ。


-一番線、ご注意ください。急行電車が通過します-


ホームにアナウンスが流れる。

それと同時に女性が一歩前に歩み寄った気がした。


その瞬間
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