夢の続き
「城野月柚葉(きのつきゆずは)です」


「えっ、あっ、大戸(おおと)・・・謙介」


いきなり名前を言われたので、思わずこちらもそれに返してしまった。



僕の表情とは違って、城野月柚葉はこちらに笑顔でいた。


「また、必ず聞きますから。

そのときは続き、話してくださいね」


そう言い、彼女は走り出した。



階段を駆け上がり、見えなくなるまで彼女を目で追いかけた。



今日は何だか酷く疲れたが、それでも悪い一日ではなかったと思う。



しかし、彼女はまた聞きに来ると確かに言った。

そのときに今日の続きを話しても、僕は今と同じような気持ちになれるのだろうか。
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