夢の続き
僕たちは客引きに無言で手だけで断りの合図を送り、さっさと目的地へと向かうようにした。

格好の餌食のように見えて、実は非常に残念な二人。

客引きにとって、僕たちは憂鬱の一部でしかないだろう。



そんなことを尻目に、僕たちは焼肉の匂いと煙をこれでもかというくらいに出している目的地へと着いた。


「いらっしゃい」


ドアを開けると、月曜日の夜というのに以外に客が多かった。

ここの人気の高さが伺えると言ったところだろうか。


「おっ、昼間は有里香ちゃんで、今度はシゲちゃんたちか」


おじちゃんは嬉しそうにカウンターに水を二つ置き、それと一緒にキムチを持ってきてくれた。


「えっ、あいつ来てたの？」


シゲさんが驚いたようにして聞き返し、大きくため息をついた。



そういえば僕は先週に会ったばかりだが、有里香さんが退職してから彼は会っていたのだろうかと疑問に思う。


「シゲさんは市川先輩とは、あれから会っていたんですか」


しかしながらその驚きようと、先週の有里香さんの言葉や反応でおおよその答えは分かってはいるつもりだ。

それでも僕はこの質問を投げかけ、答え合わせをしようとしている。
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