☆決心☆

「そんな事じゃねぇ！違うだろ！論旨をすりかえるんじゃねぇ！避妊もしないでやったらどうなるのか考えもしないのか！
　いきなりやってきて子供が出来たから結婚させてくれだと！ふざけるな！それは結果だろ！」
お父さんは、ゆっくり手を下ろした。それから優しい口調で続けた。
「お前達はまだまだ子供だ。それはわかってるだろ？けどな、出来ちまったもんを堕ろせとは言わない。
　いいか、よく聞け！まだ十七のお前等は世間を何も解ってない！医者行ったらいつ堕ろすのかって聞かれるんだ。社会的立場がまだ低いから。
法的に結婚も無理だ。
　金も無い。学校辞めて働いても二人を養う事は不可能とは言わないが、先は見えてる。
　崇史君？今から着替えを持って出直してこい。今日からうちに一緒に住むんだ。わかったか？」
お父さんは、そう言い放つと返事も待たずに部屋を出ていった。