君とみた蒼空
舞と話しながら歩いていると、いつの間にか学校に着いていた。
下駄箱に靴を入れようとしたら、ドンっと横から誰かがぶつかってきた。
「わっ……ご、ごめんなさい!」
「あっ、わりぃ」
二人の声が重なる。
私の声と、聞き慣れない少し低めの男の子の声。
「大丈夫?」
顔を上げると、そこには背の高い男の子がいた。
なぜだか分からないけど、一瞬、私は彼を見たまま魔法をかけられたように動けなくなった。
「だっ……大丈夫、です」
私は、慌てて返事をした。
「本当、ごめん。急いでたから………怪我はない?」
私がこくりと頷くと、彼は安心したように持っていたスポーツバックを肩にかけなおして、部活の朝練に遅れる、と言って先に行ってしまった。
「詩音、大丈夫?」
舞が後ろから私の肩をたたく。
「うん、大丈夫」