君とみた蒼空



すると教室に担任の先生が入ってきた。


舞の言っていた通り男の先生で、いかにも体育教師らしい若そうな先生だった。


「席につけー」


先生がそう言うと、みんなガタガタと席につく。


それと同時に、教室の後ろのドアが思いっきり開いた。


そして入ってきたのは、さっき下駄箱でぶつかってしまった男の子だった。


同じクラス、だったんだ………。


「こら、蒼ー。遅刻だぞー」


先生が笑いながら言う。


「すいません。あの………朝練が終わったあと、友達と喋ってて………」


彼は語尾を濁らせてそう言った。


始業式の次の日から、もう朝練があるんだ。


私は、部活には入っていない。



だから、毎日のんびりと登校している。



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