君とみた蒼空
「男子が折ったやつとか、超ぐちゃぐちゃで鶴に見えないけどさ。まあ、気持ちは込もってるから」
舞が苦笑いしながらそう言った。
クラスのみんなが、必死に折り鶴を折っている様子が頭に浮かぶ。
みんなが私のためにここまでやってくれることが、嬉しかった。
「だから、詩音。手術頑張ってね!」
「うん………ありがとう!」
舞と歩実は、それから部活のことや夏休みのこと、いろいろなことを話してくれた。
そして二人とも塾があるから、と言って帰ってしまった頃には、もう夕焼け空になっていた。
ぼーっとしていると、ふとベッドの脇に飾ってある千羽鶴が目に入る。
千羽鶴の一番上には他より少し大きい鶴があった。
その鶴が妙に気になってずっと眺めていると、あることに気づいた。
「あれ………?」
何か文字が書いてある。