君とみた蒼空
そして、手術の日の朝。
「おねえちゃん、手術がんばってね!」
千尋が私の手を握ってそう言った。
時計の針は、6時を指している。
こんな朝早くから、私の病室はにぎやかだ。
お母さん、お父さん、千尋。
舞、歩実、沙良ちゃん。
そして、スポーツバッグを背負った蒼くん。
蒼くんは6時半頃には病院を出ないと大会に間に合わないらしい。
手術が始まるのは7時頃。
私のベッドの脇には、ちゃんと千羽鶴が飾ってあった。