君とみた蒼空



「詩音が退院しちゃったら、寂しくなるなぁ…………」



沙良ちゃんは、悲しそうに瞳を揺らしてつぶやいた。



「私、たまに遊びに来るよ。また一緒に読み聞かせしよう!」



沙良ちゃんのボブヘアーが、風にふわりとなびく。


「本当に、来てくれる?」


「うん、もちろん」


私がそう言うと、沙良ちゃんは服のポケットに手を突っ込んで、何かを出した。



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