君とみた蒼空


「じゃあ、綾ちゃんに借りてくる!」


綾ちゃんとは、高校は違うけど家は近所だ。



小さい頃からよく家に遊びに行って可愛がってもらっていた。



「ちょっと、詩音! 綾ちゃんのところ行くならお菓子くらい持って………」



お母さんの話を最後まで聞かずに、私は家を飛び出した。



10分くらい歩くと、住宅街に着く。





そして私は、『山下』と書かれた大きな家のインターホンを押した。



「はーい………あら、詩音! 久しぶりね!」


「あ、綾ちゃん! あのね、今度の日曜、浴衣貸してもらえない?」


今日もバッチリおしゃれをしている綾ちゃんに、わたしはそう聞いた。



< 196 / 413 >

この作品をシェア

pagetop