君とみた蒼空
「6時に、蒼くんが迎えに来てくれるの」
「そう。蒼くん、優しいわね」
お母さんがにっこり笑ってそう言った。
私は、まだ4時だというのに浴衣に着替えて、お母さんに髪をセットしてもらってる。
「ほらっ、できた。可愛いわよ、詩音」
お母さんの声に鏡を見ると、髪の毛が頭の上でひとつにまとめられて、お団子になっていた。
花の飾りもついている。
「わぁ………ありがとう、お母さん」
蒼くん、可愛いって言ってくれるかな。
私は、少しだけメイクをして蒼くんを待った。