君とみた蒼空
体育祭
「優勝するぞー!」
クラスの中心的存在である蒼くんがそう叫ぶと、円陣を組んでいたクラスのみんなが“おーっ!”と言った。
みんなの頭には、私と蒼くんが一生懸命作った青色のハチマキが巻かれている。
「絶対に優勝しようね!」
「うん!」
クラスのみんなのそんな会話が飛び交う中、私はひとりしゃがんでうずくまっていた。
「詩音? 大丈夫?」
今日はなんだか、体調が悪い。
でも、ここで病院に行って体育祭に出られない、なんてことになったら嫌だし、私は我慢した。
「大丈夫、だよ」