君とみた蒼空
「詩音……なんでもないのに、泣いてるの………?」
心配そうに瞳を揺らす沙良ちゃんを見ていたら、涙が溢れた。
沙良ちゃんが、私の小さな手を握った。
沙良ちゃんの手は温かくて、沙良ちゃんはちゃんと生きてるんだなって思ったら。
この温もりが、数か月後には消えてしまうんだって思ったら。
頬を伝う涙を、止めることなんてできなかった。
「ご………ごめん……ね……」
「謝らなくていいよ。なんで泣いてるのか、教えて」