君とみた蒼空



そして、待ちに待った日曜日。



蒼くんが迎えに来るのは10時なのに、私は8時くらいから玄関のドアの前でそわそわしていた。



「おねえちゃん、朝から玄関で何やってるの?」



目をこすりながら起きてきた千尋に、そう言われたほどだ。



蒼くんとデートだよ、と言うと、ラブラブだねー、と冷やかされた。




「詩音、部屋の中に入ってたら? 風邪引くわよ? もう10月なんだから」




お母さんがそう言うけれど、私は首を横に振った。



「いいよ。ここで待ってる」




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