君とみた蒼空



しばらくすると、おばちゃんがソフトクリームを私たちに差し出した。



「さんきゅ、おばちゃん。いただきまーす」



蒼くんとふたりで、ソフトクリームを食べながら話していた、その時。







小さい女の子が、駄菓子屋さんの向こう側にある公園から、ボールを追いかけながら前の道路へ飛び出した。




その後ろから、乗用車が女の子に気づかず走ってくる。



あのままじゃ、女の子が引かれちゃう、と思った次の瞬間。



「ねぇ、蒼く────」




女の子を突き飛ばして、車に跳ねられたのは──────









蒼くんだった。








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