君とみた蒼空



「入院は手術が近くなってからでいい。とりあえず今は、様子を見よう」



様子を、見る………。



「でも、今回の手術の成功率は低い。失敗すれば、死に至る可能性もある」



呆然としている私に、お兄ちゃんが更にそう言った。



「そんな…………」



お母さんが、涙ぐみながらそう呟いた。






かなづちで頭を殴られたような感覚だった。



死に至る可能性もあるってことは、手術が失敗したら私、死んじゃうの……?




感じたことのない不安と恐怖が、込み上げてくる。




この前は、冷静でいられたのに。




なんで、こんなことになっちゃうの─────?



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