君とみた蒼空


そう思うのに、ひとりで話を続ける蒼くんに、イライラしてきた。



病気のせいで、情緒不安定になっているのかもしれない。


私は、気持ちを押さえることができなかった。



「ちゃんと人の話聞いてよ! いつも自分のことばっかり喋って!」



────なに言ってるんだろう、私。



蒼くんは、普段は私の話もちゃんと聞いてくれる。



決して、蒼くんは自分のことばっかり喋っているわけじゃない。



ちゃんと分かっているのに、私の口は止まらなかった。


< 351 / 413 >

この作品をシェア

pagetop