君とみた蒼空



「伝えるなら、今しかないよ」


舞も歩実も、“辛かったね”とか、“大丈夫だよ”とか、慰めの言葉を掛けてくれたのに、沙良ちゃんはまっすぐな目でそう言った。



「いつ、伝えられなくなるかわかんないんだよ?」



「え?」




「今日、もし突然彼が交通事故遭って死んじゃったら、もう二度と伝えられないんだよ?」


沙良ちゃんは、縁起でもないことを言うけれどそれは事実だった。


もし、蒼くんがこの世からいなくなってしまったら。



一生仲直りできないままになってしまう。



< 360 / 413 >

この作品をシェア

pagetop