君とみた蒼空


最近おかしいのは、蒼くんのことが好きだからだよ。



そう言いたい。



でも、言えない。



恋って、こんなに悩むものなんだ。



まだ四月で、蒼くんと出逢って一ヶ月も経っていないのに。


私は蒼くんに、恋をしてしまった。



「ねぇ、蒼くん。バスケ部の練習………ちょっと見てもいい?」


授業後のHRが終わると、私は蒼くんにそう訊いてみた。


「えっ………いい、けど」


なんで? っていう顔をして首を傾げる蒼くん。



蒼くんのことをもっと知りたい。



単にそう思っただけなのに。



この行動が、私の恋を大きく変える引き金になるなんて──────。





< 37 / 413 >

この作品をシェア

pagetop