君とみた蒼空
──────────────────────────
詩音へ
急に手紙なんか書いてごめんね。
沙良は文章を書くのが下手だから、
読みにくいかもしれないけど
どうか最後まで読んでください。
まず、詩音。
ありがとう。
詩音と出逢ったとき、
沙良には“絶望”しかなかった。
沙良はあと少ししか
生きることができないんだと、
後ろ向きに考えてばかりでした。
でも、詩音がそんな私に光をくれて、
沙良は残りの人生を生きる意味を
見つけられたと思う。
それは、詩音の笑顔があったから。
詩音の笑顔には、なぜか安心できる。
沙良は詩音の笑顔が大好き。
だから、詩音。
ずっと笑っていてほしいな。
沙良がいなくなっても、
泣いたりしないで。
笑っていて。
空の上から、いつも見てるから。
それから、詩音。
あの海に連れていってくれた日。
沙良なんかのために、
泣いてくれてありがとう。
こんなに素敵な友達をもって、
沙良は幸せです。
ううん、違う。
沙良は、詩音のこと
親友だと思ってる。
詩音と出逢えてよかったと、
沙良は思います。
そして、沙良の一番の願い。
詩音、世界で一番、幸せになって。
そういえば、
詩音との約束のミサンガが
この前切れたの。
詩音は知ってる?
ミサンガが切れると、
願い事が叶うんだよ。
だから私は、
このミサンガに願い事をします。
詩音が、世界で一番
幸せになれますように。
詩音の幸せを、心から願ってるよ。
これからも
ずっとずっと、笑っていてください。
詩音のことが、大好きだよ。
沙良
──────────────────────────