君とみた蒼空



全部読み終わる前に、私の目からは涙が止めどなく溢れてきた。



沙良ちゃんの優しさが、今頃ながらも心に染みて。



沙良ちゃんは、本当にもうこの世にはいないんだなって。



その事実を、受け止めてしまったから。




沙良ちゃんは、自分のミサンガが切れても、自分の願い事ではなく私なんかの幸せを願ってくれていた。



半年以上生きられますように、とか、自分が願いたいことだってたくさんあったはずなのに。



封筒の中には、沙良ちゃんが付けていたミサンガが入っていた。



手紙の言葉通り切れているけど、間違いなく沙良ちゃんが付けていたものだ。
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