君とみた蒼空
「大丈夫。入院にはならないよ………たぶん」
たぶん。
たぶんって、何?
もしかしたら、入院になるかもってこと?
嫌だよ………。
お兄ちゃんの曖昧な言い方に戸惑いながらも、私は渋々と保健室を出た。
もう歩けるくらいよくなったんだから、病院に行かなくてもいいじゃん。
廊下を歩きながら頬を膨らませてすねていると、お兄ちゃんが私の頭をぽんぽん、と叩いて言った。
「詩音、そんな落ち込むなって。大丈夫だからさ」
お兄ちゃんのその言葉に一度だけ頷くと、私はまた歩き出した。