君とみた蒼空



「冗談だよ。おれだって、海でそんなことしてたら颯太に笑われるし」


な、なんだ…………。


冗談かぁ。


「びっくりした…………。本気でやるのかと思っ…………」


私がそういった瞬間、唇を塞がれた。


蒼くんの不意打ちに、心臓が暴れだす。


初めてのキス。


すごく嬉しくて幸せだったけれど、同時に恥ずかしさでいっぱいだった。


「ちょっと、蒼くん!」


たぶん、今の私の顔は、リンゴよりも真っ赤だと思う。


「ごめん」


「いや、あの…………謝らなくてもいいんだけど………」


急に謝られて私が戸惑っていると、蒼くんが急に真面目な顔つきになって話し始めた。


< 85 / 413 >

この作品をシェア

pagetop