君とみた蒼空
「冗談だよ。おれだって、海でそんなことしてたら颯太に笑われるし」
な、なんだ…………。
冗談かぁ。
「びっくりした…………。本気でやるのかと思っ…………」
私がそういった瞬間、唇を塞がれた。
蒼くんの不意打ちに、心臓が暴れだす。
初めてのキス。
すごく嬉しくて幸せだったけれど、同時に恥ずかしさでいっぱいだった。
「ちょっと、蒼くん!」
たぶん、今の私の顔は、リンゴよりも真っ赤だと思う。
「ごめん」
「いや、あの…………謝らなくてもいいんだけど………」
急に謝られて私が戸惑っていると、蒼くんが急に真面目な顔つきになって話し始めた。