君とみた蒼空


「わぁ…………小さいね……………」



しばらくすると、まだ生まれて間もない赤ちゃんを若菜さんが抱いていた。



「可愛いね…………」



「若菜ちゃん、本当によく頑張ったわね。おめでとう」



私のお母さんも、顔をほころばせて喜んでいる。



「きっと、若菜に似て可愛くなるよ」



誰よりも嬉しそうなのは、子供が生まれる、と聞いて、白衣を着たまま自分の病院から飛び出してきたお兄ちゃんだった。



< 93 / 413 >

この作品をシェア

pagetop