星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~
~美姫 side~
ここは拓真の家。
拓真の家は普通の一軒家。
おばさんとおじさんと3人で暮らしている。
おばさんもおじさんも明るく話しやすく拓真の家はいつも賑やか。
おじさんはお医者さんでわたしの主治医。
おばさんは看護師さん。
ガラガラガラ
拓真『ただいま。美姫連れてきたぞ。』
おばさん『おかえりー!あら!美姫ちゃん♡
いらっしゃい♡』
美姫『こんばんは!
急に来ちゃってすみません。
おじゃまします。』
おばさん『やだ美姫ちゃんたらっ!
おじゃましますなんて言わなくていいのよ!
いつでも来てちょうだい♪
ここは美姫ちゃんのおうちなんだから♡
遠慮なんてしちゃダメよ!』
美姫『は、はいっ。』
そう言うとおばさんはキッチンへ行ってしまった。
拓真『な、だから言っただろ?
全然迷惑じゃないって。』
美姫『…うん。』
拓真『戻ってきたかったらいつでも帰ってこいよ。』
ほんと拓真優しいね。
優しすぎるよ。
拓真『まだ親父帰ってくるまで時間あるし…
俺の部屋来る?』
美姫『ん、そだね。』
拓真の部屋…
やっぱ男子って感じだな。
拓真と柊の部屋しか入った事ないから普通の男子の部屋がどうなのかわかんないけど。
拓真『恥ずかしいからあんまみんなよ。』
美姫『あっごめん。
なんかおもしろいものないかなぁ
って思ったんだけど…なさそうだね。』
拓真 『つまらなくて悪かったな。』
美姫『てかさ…拓真ってモテるよね。
誰かと付き合ったりしないの?』
拓真 『……別にモテねぇよ。
つーか俺より美姫のほうがモテんだろ。』
美姫『えー? うそだよ。
だって拓真かっこいいし、頭だって普通にいいし、運動神経もいいし…
なにより、優しいし性格いいじゃん!
わたしなんて敵わないよ。』
拓真『お前さ…俺を美化しすぎ。
まぁ言われることもあるけど…
正直どうでもいい。』
美姫『ふ〜ん…まぁわたしも同じだけど。
こんなわたしのこと好きだって言ってくれる人もいるけど好きじゃない人に言われても…
って感じなんだよね。 』
拓真『なぁ…美姫はどんな奴がタイプなの?』
美姫『ん〜…大事にしてくれて受けとめてくれる人…かな?』
拓真『ふ〜ん…』
???
拓真『なぁ…それって俺じゃダメ?』
そう言うと拓真はぎゅっと抱きしめてきた。
……!?
今なんて言ったの…?
美姫『え?急にどうしたの?』
強い力で抱きしめられながら聞くと
拓真『……美姫
俺さ…ずっとお前のこ……』
拓真が何かを言おうとした時
おばさん『拓真ーーー!美姫ちゃーーーん!
ごはんできたわよぉ〜〜!!』
拓真・美姫『………』
拓真『行くか。』
美姫『……うん。』
わたしから手を離し部屋を出ようとする拓真。
ねぇ…拓真
さっき何を言おうとしたの?
ねぇ…
そう聞こうとした時
拓真が笑いだした。
……え?
拓真 『本気にした?美姫の反応がおもしろくてかからかっちまった。悪かったな』
そうなの?
美姫『あ〜だよね。もーびっくりしたじゃん。』
拓真『だから悪かったって。ほら行くぞ!』
おじさん『お!美姫。よく来たな。
いっぱい食べてってな。』
美姫『おじさんこんばんは!はい!
じゃあ遠慮なく食べちゃいますね♪』
おじさん『うんうん。体調は大丈夫か?』
美姫『大丈夫です。またよろしくお願いします。』
おばさん『無理はしちゃダメよ?
何かあったら先生に言ったり保健室に行ったり
してね!』
ほんと…この家族はみんな優しい。
美姫『はい!いつもありがとうございます。』
おばさん『美姫ちゃん?私達は家族なのよ?
家族を心配するのは当たり前でしょ?』
その言葉が嬉しくて泣きそうになる。
そして四人で夕食を食べ…
美姫『あ〜〜おいしかった~。
やっぱおばさんのごはん最高っ!』
おばさん『あら嬉しいわぁ~♡また来てね♪
もう遅いし拓真送ってってあげなさい。』
拓真『言われなくてもそのつもりだから。
よし行くか。 』
美姫『うん!ごちそうさまでした!
それとおじゃましました。』
わたしの家に向かう道のり―
美姫『おいしかったね〜。』
拓真『いつでも来いよ。』
美姫『うん。あっ! 見て!空!!
星きれいだねぇ!』
拓真『おぉ。まじできれいだな。』
美姫『なんかお願いしよ!』
拓真『それ流れ星だろ』
美姫『いーのいーの!』
それから2人で満天の空に願い事をした。
拓真『…なにお願いした?』
美姫『んー…
「みんなみたいな体になりたい」かな。
拓真は?』
拓真『ヒミツー♪』
美姫 『あ、ずるいっ!』
そんな話をしていると家に着いた。
美姫『送ってくれてありがと。』
拓真『じゃあな。』
拓真、ごめん。
嘘ついた。
もちろん体の事もお願いしたい。
でも…
欲張りだな、わたし。
2つお願いしちゃった。
「 先生ともっと近づきたい。」って。
叶わないってわかってるけど
お願いするだけならいいよね?
そう思いながらもう一度星空をみて願った。