星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~美姫 side~


どうしよう…

まだダメだってわかってるのに

涙が…

とまらない。


今拓真が振り返ったら泣いてるのバレちゃう。

拓真は優しいから

きっとすごく心配してくれると思う。


いつも…

今までもそうだった。

だから

もう心配かけたくない。


頭ではわかってる。

わかってるのに…

涙が…とまらない。


このままだとほんとに拓真に…。

そう思い必死に

何度も目をこすり涙を止めようとしたけど…

やっぱり体は正直で…

とまってくれない。


そんな時


拓真『美姫!?どうした!?』


心配そうな顔をした拓真がわたしの前に駆け寄ってきた。

…みられちゃった。


拓真『どっか痛い?病院行く?』


しゃがんで顔をのぞき込んできた拓真の顔を見る事ができなかった。

だって…

顔をみたら余計に涙がとまらなくなりそうだから…。


美姫『大丈夫!』


今のわたしにはその一言を言うのがやっとで

精一杯の笑顔で拓真をみた。


でも…


美姫『…うぅ……っ』


顔を見た途端とまった涙が一気に溢れた。

…ほら

やっぱ拓真に嘘なんてつけないよ。


拓真『…全然大丈夫じゃないじゃん。』


そう言いながら頭をなでてくれる。

だって

あんな…

あんな優しい顔みちゃったら素直になるしかないじゃん。

あんなのずるいよ。


もう我慢なんてできない…。

そして素直になったわたしは拓真に抱きつき子どものように泣いてしまった。
< 121 / 142 >

この作品をシェア

pagetop